現役最年長の中日山本昌投手(48)が22日、6月中の1軍昇格に意欲を見せた。ナゴヤ球場で連日のブルペン投球や走り込みなど「1人ミニキャンプ」を実施。投球フォームを一から見直している。

 山本昌は日焼けしていた。親子ほど年の離れた若手に交じりナゴヤ球場で練習する。3日連続となるブルペンで51球。右翼、左翼のポール間を何本もダッシュ。シーズン中の調整としてはハードだ。

 「とりあえず毎日投げて一から出直すつもりで。回数入って感じをつかみたい。思っていたフォームと大きくずれてしまっていた。佐伯監督に頼んでこういう形を取らせてもらった」

 4月は好調をキープしていた。5月は1日オリックス戦、10日ソフトバンク戦の2試合で8回13失点。詳細の説明は避けたが、フォームのズレが歯車を狂わせたと分析する。走り込み、投げ込みの量を増やしてフォームを安定させる。そのためのミニキャンプだ。

 「幸いなことに故障がない。次は球数を増やしていこうかなと思う。まだシーズン3分の1。契約してもらっている以上はしっかりチームの戦力になりたいしね。(交流戦明けには1軍に呼ばれるように)ファームでしっかりとしたピッチングが出来るように頑張りたい」

 そう話す顔は意外と明るい。酸いも甘いも知り尽くしたプロ31年生は、野球が出来る喜びを心底感じているようだ。心が折れることは?

 そんな問いに笑顔で答えた。

 「俺はそういうのはないんだよ。本当に。ダメでもやるから。せっかく30年も頑張ってきたんだから。尻切れとんぼになるのは嫌だから。今回も打たれた次の日から走ってたよ」

 次回の実戦登板は未定だが、交流戦明けの1軍昇格を頭に描いて調整する。勝利投手のプロ野球最年長は浜崎真二(阪急)48歳4カ月で、今季中に白星を挙げれば更新。プロ野球最年長登板は浜崎の48歳10カ月で、6月11日以降に登板すればこれも塗り替える。レジェンドの闘争心は燃え続けている。【桝井聡】