<ロッテ8-3阪神>◇11日◇QVCマリン
降りしきる雨も関係なかった。ロッテ藤岡貴裕投手(24)は、強靱(きょうじん)な下半身を発射台に、キレのある速球を低めに集めた。「僕の登板日はよく雨が降るので、雨にはけっこう慣れてますし、ボールが少しぬれてるくらいの方が投げやすいんです」。重馬場向きを自称する男が、阪神打線から自己最多の11奪三振。7回無失点の快投で今季4勝目を挙げた。
「スパイクに土が付いて嫌だった」と言いながら、悪影響を感じさせなかった。それが63センチの太ももをしっかり使えて投げている証し。昨年秋のキャンプから2軍の小谷投手コーチと二人三脚で、フォームの改造に取り組んだ成果だ。それまでのノーワインドアップからワインドアップに。「おかげで上半身と下半身をバランスよく使えるようになりました」。もともと強かった下半身を武器にできるようになった。抜群の安定感が手に入った。
開幕からのローテーションのうち、成瀬と唐川が不調で2軍に落ち、古谷はリリーフに配置転換というチームの危機にも「こういう時こそ、しっかり戦っていければ信頼を勝ち得る」と意気込む。自宅には「18」という水色の一升瓶が飾ってある。「18」と書いて「エース」と読ませる芋焼酎。背番号18の左腕にとっても、目指すべき場所はそこ。コツコツと仲間の信頼を得ることでのし上がる。
この日は大谷、藤浪、浜田の「ビッグ3」が先発して注目されたが、藤岡も東洋大時代は巨人菅野、広島野村とともに「大学ビッグ3」と呼ばれた男。若い世代には負けない。伊東監督からも「今までで一番ストレートが走っていた。右のインサイドに素晴らしいボールがいっていた。今は柱と言ってもいいんじゃないか」と絶賛された。2年間の雌伏の時を超えて、大学球界を席巻した左腕が、その才能を開花させようとしている。【竹内智信】



