<オリックス9-5DeNA>◇12日◇京セラドーム大阪

 オリックスの快進撃は、ついにイチローを擁した96年に匹敵した。今季を象徴する「つなぎ」を発揮したのは2回だ。無死一、二塁からT-岡田が右前に先制タイムリーを放った。「絶対に先制して、金子さんに楽に投げてもらいたいと思っていた。何とかタイムリーになってよかった」。ここから糸井の5点目の適時打まで、打者9人攻撃で一気に5得点。試合の主導権を握った。

 打つだけの選手、守るだけの選手はいない。全員攻撃、全員守備がチームの持ち味だ。先制打のT-岡田は前夜の8回に送りバントに成功し、代打の代打駿太の満塁弾を演出した。スラッガータイプにも、いろいろな役割を求めるのが森脇イズムだ。試合前練習でT-岡田は黙々とバント練習をこなし、指揮官が声をかけ、談笑した。この日は得点圏でランナーをかえす力強さを見せた。

 3点差に迫られた後に、相手を振り切る力もある。7回には途中出場の駿太がバント安打で出塁。盗塁も決め、伊藤のセーフティースクイズで本塁に生還。前夜の満塁弾を忘れ、機動力を生かした。「謙虚な気持ちだった。打撃練習も単打を意識していた」。8回の満塁機ではコンパクトに振り、中前適時打。相手の嫌がる攻撃を波状で仕掛ける。粘りの攻撃もオリックスの強さを支えている。

 今季3度目の6連勝で、首位をがっちりと守った。森脇監督は「すべてのアウト、得点に意味があった。みんなが、関わったゲーム」と振り返った。貯金18は日本一に輝いた「がんばろう神戸」の96年以来。イチローのようなスーパースターはいないが、組織力は抜群。失速の要素は見つからない。【田口真一郎】