<日本ハム2-11巨人>◇12日◇札幌ドーム
強い。巨人が交流戦初の2ケタ得点で日本ハムに圧勝した。菅野の先発回避を逆に利用し、超積極的な継投を展開。打線も大技小技でアシストした。原辰徳監督(55)が目指す「この1勝」を確実に奪うチーム作りが浸透。4連勝で貯金を今季最多の9とし、2位広島との差を3ゲームに広げた。
原監督が「いい点の取り方」と納得するのも当然だった。巨人が相手の穴を徹底的に掘った。6回1死、四球の阿部が一塁にいた。亀井の左前打は、日本ハム中田の定位置に転がった。緩いチャージを見逃さず、足を緩めない。送球しても、もう遅い。阿部が三塁、亀井も二塁を陥れた。
下地はできた。長野の三ゴロが適時失策となり、3点リードの2死一、三塁。2球目に、一塁長野が完璧なスタートを切った。修羅場の経験が浅い捕手市川が、二塁に送球した。長野はダミーだった。亀井が遅れて突入した。ダメ押しとなる6点目の生還を見届け、長野はアウトとなった。ディレードの重盗を仕掛け、本塁を奪取。特Aの足技が決まった。
1勝に執着した。菅野の先発回避で、投手陣のフル稼働は必至だった。原監督はしたたかに手を打っていた。先発して中2日の今村をベンチに入れ「想定通り」、4回から登板させた。「頭の中に、いくつかの風景を描いておく。場面が風景にはまったら、手を打つ。そうすれば瞬時の判断も迷わない」。青写真通りのタクトだった。「山口もマシソンも、のつもりでいたけど。そうならず、いけた」はうれしい誤算だった。
腹案の“第7戦法”で貯金を今季最多の9にした。昨季、3勝3敗で迎えた日本シリーズ第7戦を落とした。原監督は、大一番で実力を出し切れるチーム作りの必要性を痛感した。「シーズンの144試合は長い。ときに『今日は、日本シリーズのつもりで戦う』と決めて、ベンチも短期決戦用の用兵、戦術を入れる」と、大胆な選手起用、戦術を用いると決めた。交流戦の日程も巧みに利用した。2連戦で翌日は休み。選手の負荷を高める用兵が可能と踏み、完璧に遂行した。
14年最高の上げ潮で、1勝の重みを教えてもらった仙台に乗り込む。【宮下敬至】



