心は熱く、頭はクールに-。巨人が勝負の夏場に向け、練習用に白い帽子を導入した。27日、秋田・こまちスタジアムで全体練習。照りつける太陽の下、爽やかに、シャキッと汗を流した。ビジターでの試合はナゴヤドームを除き、屋外球場。ナイターでも、試合前練習中は暑く、コンディション面を考察。原辰徳監督(55)のアイデアで、光を反射する白の帽子で練習する“クールビズ”が採用され、リーグ戦再開を迎える。

 リーグ戦再開を前に、原監督は熱かった。約2時間行われた全体練習をサングラスの奥からじっくりと見届けた。「(5日間の調整期間を)予定通りに時間を使うことができた」と充実度を評した上で、今後の戦いへの意気込み、チームのビジョンを熱く語った。

 原監督

 これから、また熱戦の火ぶたが切って落とされる。1戦1戦、集中して戦っていくことには変わりません。ただ、チーム内の競争というものが、春先に比べて、激しくなる感じがします。

 エース内海、橋本らを欠く中、交流戦を2年ぶりの優勝で飾った。ケガから復活の亀井、小山ら開幕は2軍だった“新戦力”の活躍が大きかったが、内海、沢村、橋本、西村らも復活に向け、着実に調整。最強ジャイアンツの完成が、間近であることを物語った。

 ぎらつくハートとは対照的に、爽やかで、涼しげな白の帽子が目を引いた。普段は黒の帽子だが、原監督のアイデアで練習用に発注された帽子だった。「夏は汗でびっしょりになって、試合の時にいいコンディションかどうか、と言えばね…。Tシャツのような生地だから、暑くなくていいんだ」。コンディション作りに配慮した秘策だった。

 アディダスの用具担当者によれば「黒と白では光の吸収度が違う。メッシュなので軽く、速乾性もある」という。04年のグアムキャンプなどでも採用されたようで、片岡は「(暑さは)全然違う。動きやすいです」と笑顔。橋上打撃コーチは「頭もクールにしないと」と話した。クールに見せて、心の中はギラギラ。リーグ3連覇に向け、巨人が再スタートを切る。【久保賢吾】