<阪神1-2中日>◇28日◇甲子園

 中日が谷繁采配ズバリでついに3位の虎に0差だ。1点リードの9回。1死一塁で登板した岩瀬が新井貴に四球を与えて逆転サヨナラのピンチを招くと、谷繁元信兼任監督(43)がベンチを出た。監督谷繁としてマウンドに行くのは初めてだ。「思い切って投げろ!」。このカツで左腕の目の色が変わった。

 岩瀬

 自分との闘い。久々気合を入れられました。

 続く代打関本への初球。宝刀スライダーを内角の厳しいコースに決め、遊-二-一の併殺で試合を締めた。新井貴への不安定投球がウソのよう。魂の1球でゲームセットだ。

 谷繁兼任監督

 単純に気合を入れに行っただけ。吹っ切れるものがあってくれればいいんじゃないかと。

 岩瀬は前日も1死満塁のピンチを招くなど、今季は23試合で3人ピシャリが5度だけ。日本人未到400セーブまで5に迫るが、そんな最強守護神にカツを入れられるのは指揮官だけ。絶妙のタイミングでかけた魔法で、目を覚まさせた。

 攻撃タクトも光った。前日、開幕4番も任せた平田が左足首を痛めて負傷離脱。そんな危機でルナと森野の4、5番を10試合ぶりに入れ替えるなどやりくりし、8回に森野の適時打で決勝点を奪った。自身はこの日の欠場で、今季中に野村克也氏の3017試合の最多出場を抜けなくなった。だが「そんなことはどうでもいいよ」。欲しいのは白星だけだった。

 攻守にわたる執念采配で3位阪神に肉薄。今日29日も勝てば5割復帰で初のAクラスに浮上する。先発は3連勝中の浜田。流れはある。谷繁タクトでいよいよ3強入りだ。【松井清員】