<阪神1-2中日>◇28日◇甲子園

 逆転優勝にもうデッドラインだ!

 ゲッツ、ゲッツとちっともダンディじゃない併殺オンパレードの拙攻で、再開リーグ戦も△●。交流戦最後から4連敗でついに借金生活だ。振り向けば4位中日とゲーム差なし。それどころか首位巨人とは6・5ゲーム差で、球団史上、優勝年の最大ゲーム差という瀬戸際に突き放された。

 巨人が離れる。逆転Vがかすむ。竜にしっぽをつかまれて、もがけども浮上できない虎が、大きな目標へのデッドラインに立たされた。今季70試合目で、4月9日以来の借金生活に再突入。最大9の貯金をはき出すと、4位中日とゲーム差なし。首位巨人とは6・5ゲーム差と引き離された。

 あと1本が出ず、蒸し暑い甲子園はモヤモヤ感が増すばかり。2戦21イニングで5併殺の攻撃に、和田監督も歯ぎしりするしかなかった。

 和田監督

 接戦になれば何とかしないといけない。その中で捉えられなかったし、合う打者と合わない打者がはっきりしていた。投手は踏ん張っていたけどね。ちょっと乗り切れないというかね。ここはもう、辛抱するしかない。

 舞台は整っていた。1点を追う9回。1死からマートンが左前打だ。左腕岩瀬の投入で、福留に代えて新井。四球で一、二塁とすると関本を代打に送った。前日27日の延長10回に代打同点打の「新神様」へ、期待は高まった。最高潮のボルテージは、遊ゴロ併殺でジ・エンド。わずか1球で長いため息へ変わった。

 ゲッツー地獄にはまっている。6回もそうだった。同点としてなおも1死一塁。イケイケムードで、マートンは投ゴロ併殺に終わった。振り返れば、前日も2回から3イニング連続で併殺打を放って勢いをそいだ。打撃陣の調子は悪くないのに、硬くなる。点が入らないから、余計に意気込む。わずかな狂いが、ホームを遠くする。

 和田監督

 ゲームは壊してないからね。何とかここで踏みとどまって、もう1回上がっていけるように頑張ります。

 西岡のバント、福留に代打も実らなかった。執念も白星につながらず、引き分けを挟んで今季ワーストタイの4連敗。呉昇桓と福原が連日痛打される、ダメージ大の連敗街道になった。今日29日、エース能見でものにできなければBクラスへ転落。しかも逆転優勝へは、かつてない「いばらの道」を突き進むしかない。【近間康隆】