<阪神1-2中日>◇28日◇甲子園

 ルーキー左腕が感情をあらわにした。1点ビハインドの6回2死一、二塁。阪神先発岩崎優投手(23)は5番森野と相対した。外角中心で攻め、カウント1-2からの5球目。内角へ135キロ直球を投げ込んだ。森野のバットはピクリともせず、球審の手が上がった。スコアボードに0を並べると、ポーカーフェースがこのときばかりは力強く拳を握った。マウンドでガッツポーズを作ってからベンチへと戻った。気迫のこもった投球がその直後、同点シーンにつながった。

 「自分の自信のあるボールで、勝負することができました」

 梅野と4度目となるルーキーバッテリーを組んだ。真っすぐで内角を突く、強気の投球。初めてコンビを組んだ5月7日中日戦。自己ワーストの6失点で5回途中に降板した。翌日、2人で試合の映像を何度も繰り返し確認した。変化球に頼りすぎた配球に「自分は直球が生きてこそ」。女房役に思いをぶつけ、呼吸を合わせてきた。

 プロ10試合目で最長タイの7イニングを投げきった。それでも岩崎の表情は、後悔でいっぱいだった。「やっぱり最初の場面が悔やまれます」。1回2死で3番エルナンデスへの3球目。チェンジアップが真ん中に入ってしまった。鋭い打球はバックスクリーン左へ着弾。先制点を許してしまっていた。

 4月24日以来遠ざかる白星はまたも手に出来なかったが、約2カ月間苦しんでいた「5回の壁」を乗り越えた。中西投手コーチは「粘り強く投げた。うまく修正して投げたな」と評価。次につながる94球だった。【宮崎えり子】