<中日12-4DeNA>◇1日◇金沢

 中日が逆転で3位を守った。先発野手全員の15安打で今季最多の12得点。猛打を導いたのは和田一浩外野手(42)の一振りだった。同点の6回に山口から決勝の10号2ラン。それは「球場の狭さ」と「神風」がアシストした95メートルの最短不倒弾だった。相性のいい金沢で、42歳としての1号が今季4度目の4連勝(1分け挟む)をけん引。今日2日、いよいよ2年ぶりの貯金2を目指す。

 ネイマールかロッベンか。美しい弾丸シュートがゴール右隅に…、いや弾丸ホームランが右翼ポール際ギリギリに飛び込んだ。サッカーW杯の芸術シュートをほうふつさせる神業弾がここ一番で出た。同点の6回無死一塁、ベンちゃんの愛称で親しまれる和田が山口から流し打ちで運んだ勝ち越し決勝の10号2ラン。それは両翼91・5メートルと狭い石川県立野球場ならでは、最短距離を飛んだ95メートル弾だった。

 和田

 狙って打てたらいつも狙っていますよ。でもそれまでは(風速)2メートルだった風が、5メートルになっていたんです。風にも乗ってラッキーだったと思います。

 おいしい1発でヒーローの座を射止めた和田も笑いが止まらなかった。打席に入る前、スコアボードの風速表示を確認。するとその時、狙えとばかりに中堅から右翼方向に強い追い風が吹いていた。そこへ外角高めに浮いた真っすぐが来た。「球場の狭さ」プラス「神風」。金沢は2年前の広島戦でも決勝打を放つなど相性抜群だったが、この日は2アシストも追加。何とも華々しい42歳1号になった。

 和田

 たまたま長く野球をやっているだけで、年齢は気にならないですね。みんな土俵は同じですから。

 中日では山崎と谷繁に次ぐ最年長弾だが、年齢への問いには無関心を強調。言外にまだまだ元気をアピールした。むしろ年齢ではなく、気になっていたのは相手選手。DeNA後藤だった。西武時代からの後輩で1月の佐賀・武雄温泉自主トレも一緒に行う間柄。その後藤が2軍生活からはい上がり、5番で出場して3回に一時勝ち越しの適時打も放った。「彼もよかったと思います」。敵ながらアッパレ。後藤の必死な姿に発奮した3イニング後、お返しのV弾が飛び出した。

 「一振りで決めてくれた」と谷繁兼任監督もたたえた1発が猛打を呼び、先発野手全員の15安打で今季最多の12得点。1分けをはさむ4度目4連勝で3位死守。4月19日以来の貯金生活だ。だが和田が「まだまだ全力で1つ1つ勝ちたい」と引き締めれば、谷繁監督も「1個なんてすぐなくなる」と笑い流した。まだ誰も満足はしていない。【松井清員】