<広島7-8巨人>◇1日◇マツダスタジアム

 巨人坂本勇人内野手(25)が、逆転の6号3ランを放ち、広島との首位攻防戦の第1ラウンドを制した。1点を追う8回1死一、二塁、広島中田の直球を左翼席に運んだ。3回の5号ソロを含む今季初の1試合2発。先発菅野が今季ワーストの6失点でKOされ、ミス続出の重苦しい雰囲気をすべて振り払った。

 一太刀で決めた。坂本「武蔵」は待ち構える仲間とハイタッチを重ね、最後尾で待つ小次郎…ならぬアンダーソンと互いを刀で斬り合う“巌流島パフォーマンス”を決めた。「(両チーム)総力戦でタフなゲーム。いい場面で打てて良かった」。二刀流で名をはせた武蔵のように、3回に5号ソロで一太刀、片方の刀で逆転6号3ランを放ち、広島をたたき斬った。

 一瞬に集中力を高め、バットを振り抜く様が伝説の剣豪と重なった。1点を追う8回1死一、二塁、1-1からの3球目にトップの位置から刀を振り下ろした。「1本出て、タイミング良く、自分の間合いで打てた」。今季初の“二刀流”で、今季最多の4打点。今季8度目の3安打猛打賞と合わせ、首位攻防戦の初戦の主役を奪い取った。

 勝負師は独特な感覚に包まれた時、集中力が極限に達する。6月15日の楽天戦、マウンドは則本だった。1点を追う9回無死二、三塁。6球目の内角148キロ直球にバットを合わせたが、太ももに直撃。何事もなく、8球目に逆転の適時打を放ったが、試合後に体の異変を感じた。「なんか、痛いなぁ」とユニホームをめくったら、患部はあざでどす黒かった。

 坂本

 あっ、あの時の自打球か、と。集中して、アドレナリンが出ていたら、気付かないんです。自分でも不思議なんですけど。

 ダーツやゴルフ、卓球に至るまで、ここぞの時は決まって、勝負強さを発揮する。「ここです」と胸を指さして笑うが、痛みも消し去る集中力が、劇的な一打を呼び込む。大将・原監督は「貴重なところで起死回生というかね。こういうゲームを勝利することが大きいです」とべた褒めだった。2位広島とは3・5差。坂本「武蔵」が、今日2日の第2戦も“名刀勇人”でコイを斬る。【久保賢吾】

 ▼坂本の1試合2本塁打は10年8月26日中日戦で吉見から2本打って以来、4年ぶり4度目。今季カード別成績を出すと広

 41-17

 4

 ・415中

 27-10

 0

 ・370神

 35-10

 1

 ・286D

 25-5

 0

 ・200ヤ

 37-7

 0

 ・189交

 89-26

 1

 ・292※数字は左から打数、安打、本塁打、打率。交は交流戦広島戦で最も打っている。