<阪神12-6ヤクルト>◇1日◇倉敷

 ルーキーに負けていられない。虎のアーチショーに4番マウロ・ゴメス内野手(29)が加わった。4回だ。3点を加えてなおも1死三塁だった。ヤクルト松岡の5球目のスライダーに反応。倉敷の夜空に弧を描いた白球は、左翼席の中段へ飛び込んだ。6月12日ロッテ戦以来10試合ぶり、リーグ戦再開後は初となる13号2ラン。この回の終わりに豪快な本物の花火が夜空を彩ったが、「前座」と言うには失礼なほどうっとりする放物線だった。

 「自分のスイングでしっかりボールを捉えることができたよ」

 打ち直しだった。カウント1-1からの3球目、高めの146キロを力強くたたくと、高々と舞い上がった。左翼ポール際へ伸びた打球は左に切れたが、初めてプレーを披露する倉敷のファンを喜ばせた。気を取り直して再びたたいた飛球は、左翼手が追う姿勢を見せないほど文句なしの当たり。これで、先発野手全員安打を決めた。

 「全員がいい形で点を取れて良かった。勝つことが一番なので、ファンにも喜んでもらって良かったよ」

 1回にも4番らしく働いた。上位トリオの3連打のあと、外角球に逆らわずに右翼フェンス手前まで運んだ。すかさず1点を返す犠飛で7点奪取劇へとつなげた。3試合連続のマルチ安打。折り返しでリーグ2位の63打点は、主砲として十分な数字を残す。今季初の1試合3本塁打で、倉敷では6連勝。猛虎打線の中心はエンジンが再点火だ。【近間康隆】