<阪神12-6ヤクルト>◇1日◇倉敷

 描いた青写真とはかけ離れていた。阪神藤浪晋太郎投手(20)は手にした5勝目をうつむきながら振り返った。1回から2四球と荒れ、2回以降も立ち直りの兆しは見えない。大量援護に恵まれながらも本来の投球を披露することができなかった。「流れをつくる投球」には程遠く、打ち合いゲームを招いてしまった。

 「大量援護をもらい、本来ならば完投しないといけない試合展開。情けないピッチングになり、申し訳ないです」

 初めて立つ倉敷のマウンドは傾斜が感じられず、合わなかった。「言い訳にしかならない」と多くは語らなかったが、投球には影響が出ていた。中西投手コーチは「メカニック的にバラバラ。本人も自分の体じゃないような感じだったんじゃないか」と荒れた要因を分析した。

 バラバラだった上半身、下半身の動きを修正できなかった。自慢の直球、カットボールは言うことを聞かない。途中からは、試合を作ろうと変化球を多投した。だが好調ヤクルト打線が放っておくはずがなかった。今季ワースト10安打、ワーストタイの6失点。6回で129球と、重苦しい時間だけが経過していった。

 「自分でもどうしようもなかった。(変化球も)ごまかしたにすぎないので。(修正ポイントは)これからつかんでいきたい」

 エース能見が離脱し、藤浪にかかる期待は膨らむ一方だ。へこたれている場合ではない。6月4日以来の5勝目を良薬に、ショックを吹き飛ばすしかない。【池本泰尚】