<阪神12-6ヤクルト>◇1日◇倉敷
まあスカッとヒットの出ること出ること。西岡がスタメンを外れ、上本、大和、鳥谷と並んだ上位陣が3連打を2度決め、2度のビッグイニングを導いた。3人そろってマルチ安打で、倉敷球場のHランプが点灯しまくり。先発野手全員の13安打で12得点の猛攻だ。これで倉敷では09年から6連勝。この勢い、甲子園にも持ってきてや!
虎の沈滞ムードを一掃したのは上位打線のバットだった。5連敗中でしかも初回に2点を先制された。またか…。悪い流れなど意に介さず上本のバットが火を噴く。石川の直球をとらえ左前打で出塁。大和は初球のランエンドヒットで鮮やかに三遊間を破る。鳥谷もライナーで右前へ。瞬く間に無死満塁のチャンスを築き7点奪取のお膳立てだ。
初回の猛攻に関川打撃コーチも胸をなでおろす。「いいときの打線の形ができた。クリーンアップでしっかりかえす形ができた。2点取られて、上本、大和が続いていけるぞと。(6月29日中日戦で)10安打しても2点しか取れなかった。久しぶりのビッグイニングになった」。打線は6月18日の日本ハム戦以降、6試合連続で2得点以下だった。打てなければ走者を走らせる。積極的に仕掛けてリズムを作り負の連鎖を断った。
攻め手を緩めない。4回も流れるような3連打を再現した。1死後、上本と大和の連打で一、三塁。鳥谷は2番手松岡の直球を容赦なくたたく。一塁走者大和とのランエンドヒット。ライナーで右中間を破った。「1、2番が作ってくれたチャンスに打てて良かったです」。今季初の三塁打は2点タイムリー。好調だった4月を思い起こさせる攻撃で中軸の働きを示した。
泰然自若とした姿勢こそ鳥谷が長いシーズンを戦い抜く心構えだ。連敗中だが「点を取られても気にせずにいけた。打線はいいときも悪いときもある。気にならなかった」と言う。割り切って、1球に集中する。日々の積み重ねが、勝負どころでの快打につながる。
キャプテンは刺激の多い毎日を過ごしている。前日6月30日に球宴の選手間投票が発表され、遊撃手で初選出。普段は冷静だが、珍しく「これまでと違った特別な思いがあり、素直にうれしい」と喜びを表していた。いまや、同じプロフェッショナルに尊敬の念すら抱かせる存在となった。長丁場のシーズンも折り返し地点。キャプテンのバットで、春先の勢いを取り戻したい。【酒井俊作】




