<オールスターゲーム:全セ6-12全パ>◇第2戦◇19日◇甲子園

 最後までエンターテイナーを貫いた。日本ハム中田翔内野手(25)が、無念の「腕立てパフォーマンス」を敢行した。6回無死二塁の場面で代打で登場。前夜に続く「予告ホームラン」は封印も左翼フェンス直撃の適時二塁打。球宴初本塁打まで約50センチ足りず。スタンドからため息が漏れると、二塁ベース上で腕立て伏せを2回。「何も意味はないよ。そのまんまや」。足りなかった腕力を即座に鍛え、超満員のファンにわびた。

 刺激を受けた。大谷は球宴最速の162キロ、大阪桐蔭の後輩の藤浪も150キロ超えを連発。「年下とは思えない迫力。面白いものが見られた」と興奮。柵越えまで少し足りなかったが「でも、点も入ったので」と満足そうに振り返った。

 左膝などが万全でない中でも自分らしさは失わなかった。西武ドームの第1戦。グラブの契約を結ぶナイキ社がオールスター用の特注品を用意。ゴールドのド派手なデザインも「やっぱ、こっちやな」。手に取ることなく、普段から使うグラブでグラウンドへ。お祭りムードの周囲を尻目に、普段通りを貫いた。

 4年連続4度目の球宴はプレー、パフォーマンスでインパクトを残した。「これがいい方向へ向かえば」。勝負の後半戦へ、気分よく突入する。【木下大輔】