反撃態勢は整った!

 広島は今日21日、ヤクルト戦(神宮)で後半戦をスタートさせる。エース前田健太投手(26)は5週連続で週末に戦う2位阪神、首位巨人にぶつけられ、打倒TGに全力を注ぐ。右肩痛で2軍調整中だった一岡竜司投手(23)、石原慶幸捕手(34)の2人は今日、出場選手登録される見込み。役者がそろい、万全の配置を終え、逆襲の夏を迎える。

 打倒GTへ切り札は当然マエケンだ。後半戦は開幕2カード目の阪神3連戦(25~27日)から5週連続で週末に阪神、巨人とのカードが組まれている。野村監督は「阪神、巨人に行ってもらう」と説明。25日阪神戦で後半戦初先発に臨み、ここから中6日で巨人、阪神、巨人、阪神戦のカード初戦を託される。

 首位巨人とは5ゲーム差、2位阪神とは1・5ゲーム差。前田は前半戦最終登板となった12日中日戦後「ここから大事な試合が続く。そこで勝っていかないと意味がない。負けないようにしたい」と必勝を誓っていた。シーズンの行方を左右する5番勝負、いよいよギアチェンジの予感だ。

 今季初登板となる阪神戦は昨季4勝1敗。巨人戦は今季2試合登板で0勝1敗、防御率1・80で昨季無傷の3勝と、もともと好相性を誇る。エースを前面に押し出し、一気に両チームとの差を縮めたいところだ。

 チームは反撃態勢を整えつつある。開幕からの快進撃を支えたセットアッパー一岡が今日21日、1軍復帰する。右肩痛のため2軍調整を続け、18、19日の球宴2戦で連投をクリア。最速146キロを計測するなど状態を上げてきた。

 同じく右肩痛で2軍調整していた石原も今日、再登録される見込みだ。マツダスタジアムで全体練習に参加し「肩はもう大丈夫。チーム一丸となって戦っていきたい」と力を込めた。今季は痛みを抱えながら45試合に出場し打率1割4分2厘、2本塁打。痛みが和らげば、同じ轍(てつ)は踏まないはずだ。

 球宴第1戦では、主砲エルドレッドが2ランを含む3安打4打点でMVPを受賞するなど、カープ勢がお祭りをジャック。第2戦は堂林に復調の1発が飛び出した。後半戦に向け、最高の流れが出来あがっている。前回球宴でカープ旋風が吹き荒れた75年は、前半戦3位フィニッシュから悲願の初Vを達成。あれから39年、今年も逆襲ムードが漂う。【佐井陽介】