<オリックス3-8ロッテ>◇3日◇京セラドーム大阪

 ロッテが、待望の形で連勝を飾った。課題の立ち上がりを3人で切り抜けた成瀬善久投手(28)が、テンポのいい投球を披露。7回1/3を3失点で6勝目を挙げた。前日の涌井に続き「横浜高校コンビ」での連勝は、今季初めて。「チームにとっても、この2人が勝たないと、って思われてると思うので、その中で勝てたのは大きい」。1年先輩の成瀬は、自信を持って胸を張った。

 今季、涌井が新加入した時、2人の不仲説がささやかれた。高校時代のある事件に由来するものだった。1度だけ、成瀬が涌井を厳しく指導したことがあったのだ。だが、2月のキャンプで食事をともにした際、成瀬は、そうせざるを得なかった理由などを丁寧に涌井に話した。下級生は知り得なかった話。今だから話せることを語り合ううちに、わだかまりは消え、絆になった。

 前日は、涌井の投げた試合を最後まで球場で見守った。先発の前日にしては珍しいことだった。「おめでとう」と声をかけると「明日、頼みますよ」と返ってきた。勝利のハイタッチは、バトンタッチの儀式になった。「ワクがああやって笑ってるのも久しぶりに見ました。登板当日に会うことがなかったですから。自分も勝ちたいって刺激になりました」。その気持ちをこの日の投球に、素直にぶつけた。

 前半戦はともに苦しんだ。意識と体が一致せず、思うようなボールが投げられない状態だったという。それが今は、心と体が一致した感覚を得られている。「勝てない苦しさも分かってるし、あいつもきっかけになったと思う。自分もいい流れで勝つことができた」。ここからは、2人でどんどん勝ち星を積み重ねたい。「横浜高校コンビ」が両輪となって、ロッテに勢いをもたらす。【竹内智信】