<巨人3-4阪神>◇12日◇東京ドーム
巨人の18番に突破してほしかった。6回1死満塁。杉内俊哉投手(33)の局面だった。阪神は9番メッセンジャーだった。2球で2ストライクと追い込み、直球を挟み、スライダーで仕留める青写真だった。2-2の並行カウントから肝心要の6球目が真ん中だった。2点適時打で3点差になった。「三振を狙いにいったんですけど。追い込んだのに…。勝負にいった中で、詰めが甘くなってしまいました」と、珍しく両手を膝についた。
新人の失敗を救ってほしかった。満塁への過程がまずかった。無死一塁で捕手小林がバント処理を焦り、二塁へ悪送球。犠打野選と失策でピンチを拡大していた。メッセンジャーは対照的だった。同じ6回。3連打で1点を返し、なお四球で無死満塁とした。井端、セペダ、ロペスを連続三振で、威風堂々と突破した。
木を見て森を見なかった。5回にも先頭のメッセンジャーに直球を二塁打され、失点した。3回もそうだった。2番の俊介に、カウント1-1からの甘い直球を本塁打された。小兵にとって、実に3年ぶりの柵越えだった。怖い中軸を抑えていただけに「悔しい」では片付けられない無念さが残った。
足をすくわれている。7月22日阪神戦。6回2死まで被安打なしも、メッセンジャーから3連打で失点。チームはサヨナラ負けした。前回8月6日のDeNA戦も、6番以下に8安打され敗れた。エースナンバーを背負って3年目。最も充実した状態で8月を迎え、菅野も離脱している。当然、この試合を託された。9番への勝負球という細部に、自分の代名詞を宿してほしかった。原監督は「投げづらいだろうけど、本人が自信を持って投げたボールではなかった。こういう結果になるのは原因がある」と杉内の99球目を指摘した。虎と0・5差。勝負師が高ぶり、底力を見せる時が来た。【宮下敬至】



