<日本ハム5-2ロッテ>◇12日◇札幌ドーム

 日本ハムの3、4番が先制アーチの大谷に続いた。4番中田翔内野手(25)は同点で迎えた4回、22号の勝ち越しソロ本塁打。プロ初アーチを放ったロッテ大嶺祐からの通算101号は、大谷と2度目のアベック弾となった。5回には3番に座った陽岱鋼外野手(27)の14号3ランで突き放し、4位ロッテとのゲーム差を3・5に広げた。

 主砲に、笑顔が戻った。中田が豪快な放物線で、チームの連敗を止めた。同点に追いつかれて迎えた4回だ。先頭で、一振りで、不穏な空気を消し去った。左中間スタンド中段への決勝22号ソロ。「あそこまで飛んだら完璧」という推定140メートル弾で、チームを11日ぶりの勝利に導いた。

 先輩の意地だった。2回に大谷が先制の6号ソロ。逆方向となる左中間への推定130メートル弾で先制点をもたらしていた。「気合が入らないわけがない」と、4番のプライドは刺激された。前半戦を終えた際、野手大谷についての印象を語ったことがある。「あのくらいの打者は、いくらでもいるやろ」。負けるわけには、いかなかった。中田は引っぱった打球。大谷は流した打球の違いはあるが、後輩より10メートル遠くへ飛ばして見せた。「気分は悪くない」と笑みがこぼれた。

 主砲も苦しんでいた。「7連敗…正直苦しかった」と本音を明かした。自身は打撃好調も、勝利に結びつかなかった。首位ソフトバンク、2位オリックスに立て続けに負け、チームは沈滞ムード。「試合に勝たなきゃ意味がないし、やっていて面白くないから」。イライラの日々だったが、陽岱鋼も含めたクリーンアップ3本塁打で振り払った。

 8月初の本拠地のお立ち台で、大逆襲も予告した。「明日から勝ち続けたいと思います」。上位2チームとの差は大きいが、頼りになる若き主砲を中心に、ここから猛追を開始する。【木下大輔】

 ▼日本ハムは3番陽岱鋼、4番中田、5番大谷の中軸トリオがそろい踏みで本塁打を放った。先発3~5番の同日アーチは、08年9月14日オリックス戦(札幌ドーム)で3番稲葉、4番高橋、5番スレッジが記録して以来、6年ぶり。