<巨人3-4阪神>◇12日◇東京ドーム
心がブレない勝負師の真骨頂だった。阪神鳥谷敬内野手(33)がキャプテンシーを体現した。同点で迎えた5回1死二、三塁。球が浮き始めた杉内の直球を逃さなかった。思い切りすくい上げると、右翼上空を高々と舞う。犠飛を阻もうとする長野の強肩をかいくぐり、三塁走者メッセンジャーが生還した。
勝ち越し点が必要な場面で、当たり前のように仕事を果たす。冷静に「球種どうこうよりも最低限、外野フライ。ランディがよく走ってくれました」と振り返った。3番の一打で勝負の流れを引き寄せ、チームは6回にも2得点。わずかなチャンスを生かし切った。
リベンジを果たすときがやってきた。昨年8月末。巨人戦に3連戦3連敗し、一気にV戦線から脱落。「まだ行けるというところまで行って3つやられ、もうダメだとなった。最後まであきらめていないけど流れにのみ込まれて、もう、ちょっと離れて無理という空気というか…」。宿敵を倒さなければ優勝はない。今年もまた、似た構図で8月に入った。
それでも、いざ決戦を迎えると過度に意気込むこともない。今月は首位巨人と6試合激突。その初戦の思いを問うても「どこのチームとやっても、勝ちは勝ちですから」と受け流す。平常心で伝統の一戦に臨んだ。昨季と異なるのは、不動の「4番&守護神」がいる点だ。優勝するためには相手をのみ込む勢いも欠かせない。チームに数少なくなった05年V戦士の鳥谷が引っ張って、そんなムードを作りたい。【酒井俊作】



