<巨人4-1阪神>◇14日◇東京ドーム

 巨人鈴木尚広外野手(36)の足が、重い3点目をもぎ取った。8回1死二、三塁で打者高橋由の5球目だった。ワンバウンドし、捕手鶴岡が何とか右側にはじいた。転がりは約5メートル。俊足橋本の代走で三塁にいた鈴木は見逃さなかった。「ボール(の球足)が長く見えた。一瞬でも迷うとアウトになる。行けなかったら、行く必要はない。でも自分の中では、セーフの確率が非常に高いと思った。100%以上」と本塁に突っ込んだ。

 スライディングも絶品だった。鶴岡は下投げで本塁に送球し、クロスプレーになった。「回り込まなくても間に合う」と一直線に滑って体を通過させ、低いタッチのさらに下に手をくぐらせ、五角形のホームベースの先端を触れた。走塁の専門家は「今年3度目ですかね」と、本塁を陥れるA難度の仕事に納得。原監督も「非常にいい役割を果たした。この戦い方でいい」と絶賛した。三塁に鈴木がいたら、バッテリーは低めの変化球を投じにくくなる。相手に与える重圧は、先の修羅場でますます大きくなる。