<巨人4-1阪神>◇14日◇東京ドーム

 悔しい負け…でも、キバの跡は残したぞ。阪神は巨人に3カード連続勝ち越しは逃したが、大砲マウロ・ゴメス内野手(29)が復活だ。2回、同点の19号ソロは右翼へ。今季83打点で来日1年目の83年ランディ・バースに並んだ。勢いに乗って猛打賞もマーク。2試合で6三振?

 そんなことありましたっけ。月末26日からの東京ドーム3連戦で、きっちりリベンジする。巨人よ、覚悟!

 仲間を、ファンを安心させる弾道だった。悔しすぎる完敗のなかで悩める4番がトンネルを抜けた。主砲の意地が打たせた一撃だろう。2回。先頭で打席へ。セドンの初球を完璧に打ち抜く。外角直球をとらえると白球は高く舞い、右翼席へ。19号ソロアーチで試合を振り出しに戻した。

 「リラックスして打席に入れていたよ。外の球なので、逆らわずに打った。しっかりと自分のスイングができた結果、スタンドインできたんじゃないかな」

 4番らしく、守備のミスを帳消しにする1発を放った。直前の1回、先頭長野の打球が飛んできた。不規則な回転でショートバウンドし、後ろにそらしてしまう。右翼線二塁打になり、先制のホームを踏ませてしまっていた…。安打は、実に9日広島戦(京セラドーム大阪)以来、14打席ぶりだった。それまでの13打席では8三振。低めの変化球に手を出して空振りする、もろさを露呈していた。

 この日は違う。打席に向かうゴメスが呪文のように唱えていたキーワードがある。「パワーポジション」だ。試合前練習ではオマリー打撃コーチ補佐と入念に動作をチェック。フリー打撃後にもティー打撃を行う念の入れようだった。同コーチは「前に突っ込んでしまう。『しっかりパワーポジションをとれ』と言ったんだ」と明かす。打者は不振に陥ると球を追いすぎて上体が前のめりになり、打撃フォームを崩すケースが多い。同コーチが指摘したのもその点だ。すぐに修正する。重心を右半身に残す「ステイバック」で、球に最大限のパワーを伝えた。

 右翼への本塁打は来日初めてだった。この日の1打点で今季83打点。伝説の3冠王バースの来日1年目と肩を並べる好記録だ。イニングを追うごとに、4番がよみがえっていく。4回にはセドンのチェンジアップをライナーで中前へ。窮地の9回2死から二塁内野安打と、猛打賞の暴れっぷり。和田監督は「今日の試合はそこだけが収穫。感じが戻りつつある」と振り返った。巨人に競り負け、首位攻防戦は1勝2敗に終わった。2・5ゲーム差に広がった。逆転優勝に欠かせない大砲が復調し、反攻に転じたい。【酒井俊作】

 ▼阪神ゴメスが5日ヤクルト戦(神宮)で3安打して以来、8試合ぶり8回目の猛打賞。過去7度はすべて勝利していたが、今回初めての負け試合となった。2回にセドンから19号ソロ本塁打を放ち、83打点目。来日1年目の83年バースに並んだ。阪神の来日1年目外国人では、76年ブリーデンの92打点が最多。