<DeNA8-2阪神>◇16日◇横浜

 ヨコハマのライトが虎をブルーにさせた!?

 阪神はDeNAに惨敗を喫した。3回、1点差に詰めた直後、マット・マートン外野手(32)が照明に邪魔され“左飛”を適時三塁打にしてしまう不運。センター伊藤隼太外野手(25)も飛球をグラブの土手に当て、投手の足を引っ張った。公式記録に失策は0ながら、拙守に泣いた。今季サタデーナイトは1勝7敗。心も躍らない。

 虎の拙守だ。阪神が、お得意さまにミスミス白星を差し上げた。まずは1点差に追い上げた直後の3回だった。1死三塁で梶谷のライナーが左翼を襲った。マートン前進、微妙に打球と位置がずれていく…。入ったのは白球ではなく照明だった。左中間を転々とする三塁打で3点目を献上し、青ざめるベンチ。ブルーなライトのヨコハマを、指揮官も悔やむしかなかった。

 和田監督

 照明だろうけど、入っても手だけは出してほしいけどな。

 不運としか言いようがない。結果的に、乗せなきゃいけない先発秋山の足を引っ張った。通訳なしで帰りのバスへ向かうマートンは、問いかけに「ゴメンナサイ」と下を向いた。1点は許して2死無走者のはずが、1死三塁へピンチは続いた。この回だけで5安打を集められて4点を失った。

 記録に表れないミスは7回にもあった。1死二塁で石川の飛球は中堅後方を襲った。伊藤隼がフェンス手前まで背走。つかんだと思われたが、グラブの土手に当ててポロリ…。難しい打球ではあるが、記録は三塁打になった。伊藤隼は「できる範囲のことはやらないといけない。課題です」と猛省。点差を「6」に広げられ、ダメ押しとなる痛恨の2失点だった。

 和田監督

 (グラブに)当ててるんだからね。絶対に捕らなアカンかった。現状、これが隼太の能力と言ったら終わってしまうんで。捕ってやらないと、投手がね。

 敵は球際に強かった。2回のマートンの一塁側観客席方向への飛球を、石川はスタンドへ倒れ込んでキャッチした。2-6の4回2死一、二塁では、新井良の左翼後方の飛球を下園がジャンピングキャッチ。阪神はビデオ判定を求めたが、フェンスにぶつかりながらしっかりとつかんでいた。勝てば早くも今季5割以上が確定したDeNA戦だったが、そう甘くはなかった。

 サタデーナイトにフィーバーできない。これで今季8勝11敗、ナイターに限っては1勝7敗となった。巨人とのゲーム差は2・5のままだが、5位DeNAとも5ゲーム差。終盤戦も隠せない詰めの甘さはV争いへ不安を残す。「明日はいい投球をすると思うので」。虎将の願いは、今日先発するルーキー岩貞に向けられていた。【近間康隆】<過去の主な照明関連の珍プレー>

 ◆58年6月25日=後楽園

 1回表先頭の阪神三宅の打球は、センターへの平凡な当たり。ところが照明に気を取られた巨人の岩本がぼうぜんと立ちすくみ、打球は無人の外野を転々。三宅は一気にホームインし、セ・リーグ初の「ランニング初回先頭打者本塁打」に。

 ◆96年7月14日=横浜

 巨人の広沢左翼手は5回、照明が目に入り横浜ブラッグスの打球を見失った。記録は二塁打となり、巨人は2点を献上。

 ◆06年5月3日=甲子園

 阪神金本左翼手は4回、巨人阿部の飛球を追った際打球が照明と重なり、右手に打球が直撃。薬指の挫傷と診断された。922試合に達していた連続フルイニング出場の継続が危ぶまれるアクシデントだった。