<中日7-3ヤクルト>◇17日◇ナゴヤドーム
これが主砲のプライドだ。4番に復帰して2戦目の中日平田良介外野手(26)が3回に8号3ランを放ち勝利を大きく引き寄せた。11打数1安打と苦手にしていたヤクルト小川を相手に、自身3カ月ぶりとなる4番アーチをお見舞い。不調とけがに苦しんだ開幕4番はお立ち台で「十分優勝が狙える」と、ネバーギブアップを宣言した。
平田は迷いなくバットを振り抜いた。2点リードの1死一、二塁。ヤクルト小川が投じた2球目直球。オレンジのバットから放たれた打球は放物線を描き、最深部の左中間スタンドに飛び込んだ。直前に3番ルナが敬遠気味で勝負を避けられた。相手バッテリーが選択した4番勝負に燃えないわけがない。
「絶対に打ってやろうと思っていた」
主砲の一撃で波に乗った打線は小川に集中砲火を浴びせた。平田の1発から藤井の適時三塁打、谷繁兼任監督の右犠飛とつながり、この回一挙に6点を奪った。小川には昨季から5戦して4勝を献上し、平田自身も11打数1安打とさっぱりだったが、そんな数字がうそのよう。天敵を5回7失点でマウンドから引きずり降ろした。開幕4番の意地だった。
「今年は開幕から4番で途中から外されて悔しい思いをした。またチャンスをもらえたので、今回は絶対にものにしたい」
平田の4番アーチは5月14日DeNA戦以来、3カ月ぶりだった。新監督の期待を背負い、開幕4番を任されたが、結果が残せず交流戦から下位に降格。6月27日阪神戦で左足首を捻挫し、1カ月間離脱した。ヤクルト3連戦前には「外角の厳しい球に対応するため」打席の立ち位置を半歩ベース寄りに寄せた。目をぎらつかせアーチを欲していた。
後輩たちの活躍からパワーをもらった。甲子園出場を決めた母校・大阪桐蔭のナインには考えた末に20本の木製バットを選んだ。「高校卒業してすぐに木製バットを使いこなせるように」という平田らしい優しさだった。高校の後輩でもある西武のルーキー森がデビューから本塁打を連発。「ほんとうれしいことです」と刺激された。
お立ち台に上がった平田は自ら「ちょっといいですか?」とマイクを握った。「今チームは4位ですが十分優勝が狙える。若い力でチームを引っ張っていきます」。まるで自分にプレッシャーをかけるようにファンの前で宣言した。混戦のセ・リーグ。竜の主砲は、まだ諦めていない。【桝井聡】



