<オリックス7-3ロッテ>◇27日◇ほっともっと神戸

 ほっともっと神戸の花火ナイターを締めくくったのは、5勝目を挙げたオリックス東明大貴投手(25)のヒーローインタビューだった。「負けられない試合をなんとか勝つことができてよかったです」。6回途中2失点で8月3連勝の今季5勝目。チームの貯金を再び20とし、首位ソフトバンクに1・5ゲーム差と迫った。

 3点の援護をもらった4回、先頭の今江に1発を浴びた。5回2死一、三塁では同じ今江を二塁ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。「とにかく抑えなければと。その気持ちしかありませんでした」。技術も気迫もつぎ込んで、中盤のヤマ場を乗りきった。

 試合前には、試合以上の?

 試練がある。ウオーミングアップのとき、チームを鼓舞する声を出す。「登板日もやります。つらいですけど…」と知恵を絞る。ただ、この日は「普通に『元気出していきましょう!』でした。最近、ハードルが上がりすぎていたんで。試合より、緊張するんで」と顔を真っ赤にした。

 懸命にムードメーカーの役割を果たしているが、投球を振り返る言葉には先発陣の一角を担う責任がにじむ。「6回途中で降りてしまって、他の投手の方のおかげで勝ちがついている。(8月)3連勝でも勝ちにふさわしい投球とは、自分では思えないんです」と、反省が口をついた。

 それでも森脇監督は「経験が生きている。対応能力がついて、成長著しい」と高く評価する。大詰めのペナントレース。チーム力を結集し、ソフトバンクをつかまえる。【堀まどか】