「緒方号」発進!

 広島の秋季練習が20日、26選手が参加し、マツダスタジアムで始まった。練習に先立って緒方孝市新監督(45)は「今の野球を継続していけば絶対、優勝できる」と号令。初日からコーチ、選手と会話を交えながら、じっくり4時間を超える練習を行った。

 午前9時57分。クライマックスシリーズで阪神に敗退した12日以来、マツダスタジアムに主力組を中心に26選手が集結した。その前で緒方新監督が帽子を取り、自分の言葉で語りかけた。

 「今までやってきた野球を継続していく。1年、1年が確実に力になっている。このまま、この野球を続けていけば、絶対に優勝できる。そういう思いで今から動いてくれ」

 15日の就任会見でファンに伝えたのと同じ「優勝」の2文字をきっぱり口にし、熱い思いを伝えた。

 その言葉を受け、声をそろえながらの全体ランニングで始まった練習は、入念なストレッチ、外野ポール間ダッシュなどと続いた。異色だったのは投手の守備練習だ。

 前田、大瀬良、一岡ら8投手がそれぞれ遊撃、二塁の守備位置につき、ノックを受けた。さらに三塁、一塁と移動して、またノック。他球団の練習でもあまり見られない光景は約15分間、続いた。

 「ゴロを捕って下半身をしっかりさせる目的で投手担当のコーチがやろうということで行った。しっかり足を使ってゴロ捕球をすれば鍛えられる。キャンプに向けてね」(緒方監督)

 新指揮官は就任時から投手の守備強化を課題にしている。例えばバント処理に関しても考えがある。「二塁で殺せるタイミングなのに送球する投手が少ない。そういうところについて監督と話している」(畝投手コーチ)。今回の投手内野ノックはそれと直接の関係はないものの、新監督の狙いを意識づける意味でも象徴的な動きとなった。

 緒方監督は新井打撃担当ら各コーチと青空会談。打撃練習時には丸、松山ら野手にも積極的に声を掛けるなど充実した練習初日となった。来季、24年ぶりの優勝へ。緒方カープは確かに始動した。【編集委員・高原寿夫】