阪神が巨人、近鉄で活躍した香田勲男氏(49=韓国・斗山投手コーチ)に来季2軍投手コーチを要請することが29日、分かった。韓国球界関係者、球団関係者の話を総合すると、香田氏は受諾する方向だという。球団はすでに湯舟敏郎2軍投手コーチ(48)の退団を発表しており、若虎育成を巨人黄金時代を支えた指導者に託す。

 香田氏は長崎・佐世保工のエースとして3期連続で甲子園に出場。その後、83年に巨人にドラフト2位で入団し、先発投手の一角として89年の日本シリーズでは優秀選手賞を獲得した。94年オフに近鉄にトレードとなり、01年で現役を引退。通算67勝を挙げた。引退後は02年から近鉄の1軍投手コーチを務め、04年から11年までは巨人の投手コーチとして、07年から09年までの3連覇などに貢献した。野球解説者を経て、13年からは韓国・斗山の投手コーチに就任していた。

 チームは今季、ペナントレースで巨人に7ゲーム差をつけられたが、CSを初制覇し、9年ぶりの日本シリーズに進出するなど躍進。ただ、その中心はメッセンジャー、呉昇桓、ゴメス、マートンの外国人選手、そして西岡、福留ら移籍組が中心で、秋山、岩本、歳内ら若手の台頭が望まれている。07年からの原巨人の3連覇を支えた山口、西村、越智、東野らの成長に関わった香田氏の手腕に期待がかかる。

 また、2軍打撃コーチとして、OBの浜中治氏(36=野球評論家)を招聘(しょうへい)することも判明。球団幹部は「生え抜きの野手育成は懸案なので」と期待を寄せた。浜中氏はリーグ優勝した03年は開幕から4番を務め、オリックスやヤクルトでもプレー。大砲として期待される中谷や一二三、ルーキー横田らの成長を支えていく。

 ◆香田勲男(こうだ・いさお)1965年(昭40)5月29日、長崎県生まれ。佐世保工から83年ドラフト2位で巨人入団。89年日本シリーズ優秀選手賞。90年に自己最多の11勝。94年、阿波野秀幸投手とのトレードで近鉄に移籍。01年に引退。通算350試合、67勝54敗11セーブ、防御率3・82。現役時代は180センチ、80キロ。右投げ左打ち。

 ◆浜中治(はまなか・おさむ)1978年(昭53)7月9日、和歌山県生まれ。南部から96年ドラフト3位で阪神に入団。右の長距離砲として頭角を現し、リーグ優勝の03年には開幕4番。07年オフ、トレードでオリックスへ移籍。11年ヤクルトに所属し同年引退。通算744試合、580安打、85本塁打、311打点、打率2割6分8厘。現役時代は178センチ、83キロ。右投げ右打ち。