日本ハム田中幸雄新2軍監督(46)が、独自のリーダーシップ論を発揮してのムードづくりを宣言した。沖縄・国頭での秋季キャンプ初日の29日、栗山監督とともに就任会見に出席。1、2軍ともに指導経験はあるが、トップに立つのは自身初。腕まくりで大張り切りかと思いきや、冷静沈着で「(選手、他コーチに)僕は任せます。何も言いません」と、異色キャラで大役に臨む。

 完全に脱力していた。極度の人見知りで、恥ずかしがり屋。目立つことを嫌う信念を守り、2軍改革の旗手になる。「あまり緊張感を持ってもらうと困る。あえて何も言わない。逆に、何でも言ってもらえるようなムードを作りたい」。2000安打達成の名球会選手だが、腰の低さは球界の内外でも有名。立ち位置が変わっても「まずは選手の思っていることを聞いてから」と風通しを良くすることを重視した。

 性格を熟知する栗山監督は110番、119番のような“ホットライン”を設置。「その時は電話ください。一緒に悩みましょう」と伝えられ、精神的な悩みの排除を約束された。生え抜きOBの中でもトップ級の功労者が、ステップアップの時を迎えた。「まあ、何とか頑張ります」。田中新2軍監督はどこまでも肩の力を抜いて、自分らしく新世代を生み出していく。【高山通史】