大野さんツッコミ、お願いします!
阪神は1日、高知・安芸市での秋季キャンプをスタートさせた。元広島投手コーチの大野豊氏(59)が今キャンプでの臨時コーチに就任することを発表。4日から合流することを受け榎田大樹投手(28)は早速、指導を待ち望んだ。2勝1敗の防御率7・05と不本意な結果に終わった今季。改善点を「大野ツッコミ」で洗い出し、復活につなげる。
またとないチャンスが訪れた。広島一筋22年。榎田にそんな大野氏との面識はもちろんない。それでも復活へのきっかけを感じ取った。同じ左投手。大野氏は通算148勝138セーブと先発、救援双方で活躍した。その姿は自然と自分に重なり合う。シーズン終盤を2軍で過ごした男に、一筋の光が差し込んだ。
「僕の投げている姿を見てもらって、どう言ってもらえるか。感覚のアドバイスをもらいたい」
榎田は昔の記憶をたどった。鹿児島の実家では父晃さんがいつも広島を応援していた。その当時のヒーローが大野氏。リアルタイムで映像を見た記憶はないが、名前は確かに幼い頃から知っていた。そんなプロの大先輩が、巡り巡って4日から指導してくれると知った。8月31日の出場選手登録抹消以降は、優勝争いの1軍と対照的に鳴尾浜で自分に向き合った。試行錯誤の日々に、終止符を打つチャンスが訪れた。
「真っすぐがどうかはもちろん。それにバッターとの感覚をどう詰めてみるか。今年はバッティングピッチャーみたいになってしまっていたので」
悩んでいたのは投げるボールだけではなかった。打者に間合いをうまくはかられ、打ち込まれた。大野氏は現役時代9167人の打者と対戦。加えて五輪の投手コーチを務めるなど、第三者の視点も併せ持つ。来季に向けての新しい刺激に胸が高鳴る。
「(他の投手)全てがライバルではないけれど、プロなので争っている。僕は僕自身でやるだけ」
今季は開幕第3戦での先発を担った。ただこの1年でそんな手形は消えた。ルーキーで結果を出した岩崎ら、多くのライバルを蹴落とさないといけない。その第1歩は自分のモヤモヤを晴らすこと。大野氏のツッコミに耳を傾け、今季の姿にサヨナラだ。【松本航】
◆大野豊(おおの・ゆたか)1955年(昭30)8月30日、島根県生まれ。出雲商-出雲信用組合を経て76年ドラフト外で広島入団。150キロ台の速球とパームボールはじめ多彩な変化球で、強力投手陣の中核を担う。通算148勝100敗138セーブ、防御率2・90。左投げ左打ち。
◆大野ツッコミ
人気バラエティー番組「アメトーーク!」で、広島ファンの「カープ芸人」が集結した回に披露された。有吉弘行が「そういう時は大野ツッコミ」と、大野氏が現役時に見せたダイナミックなフォームをマネしながらツッコミを入れ、チュートリアル徳井も同じように腕を振った。



