巨人投手陣が来季も中5日ローテを継続する。2日、原辰徳監督(56)は川崎市のジャイアンツ球場での秋季練習を一足先に打ち上げた内海哲也投手(32)、杉内俊哉投手(34)ら先発陣に来季に向けて今季同様に中5日での先発を準備するように告げた。導入2年目で順応力が高まり、年間200イニングを投げ抜く先発の登場に期待を掛けた。

 巨人の先発ローテは来季もタフさを求められる。原監督のもとに秋季練習を一足先に打ち上げた杉内が「1年間ありがとうございました」と、あいさつに来た。指揮官は「こちらこそ、1年間お世話になりました。来年も中5日でよろしく」と労をねぎらい、敬意とともに中5日を要請。杉内も快く首を縦に振った。

 今季は中5日を本格的に導入した。先発の6枚目が固定できなかった台所事情もある。だが先発を5人で回すメリットを感じていた。「中5日だと柱が厳選5人って感じになる。逆に6人で回すと弱さを感じる人が中には出てくる。5人で回す方が先発に強く責任意識が出てくる」と話した。

 中5日での先発は13年の12回から今季は32回に増加した。原監督の中で、近年左肩の不安を抱えていた杉内がうれしい誤算だった。「最後まで守り通したのは杉内だけだもんな。一番不安に思ってたけど、全部守った」。チーム最多の9度の中5日先発を記録した。杉内も「間隔が空かないのはいい。練習量は落ちるが、より試合に集中できる」と実感していた。

 厳選5枚で回せば、1人あたりの先発は約4試合増える。一流の証し、年間200イニングにも近づく。今季は杉内が159回1/3で最多、菅野が158回2/3で故障がなければ200イニングペースだった。原監督も「昔は200イニング登板なんて当たり前だったからな。チームに2、3人出てくれば?

 そりゃ楽になるよな」と期待する。

 投げ抜く覚悟はできている。例年11月は休む内海も明日4日から自主的に始動する。原監督には「中4日で頑張ります!」と切り返した。エースは「行けと言われたところでしっかり準備します」と先発投手陣の責任感を代表して宣言した。【広重竜太郎】

 ▼巨人投手の今季最多投球回は杉内の159回1/3。両リーグで巨人だけが160回以上投げた投手がいなかった。最近10年のセ・リーグで200回以上は16人いるが、巨人では、08年グライシンガーと11年沢村の2人だけ。11年広島は前田健216回、バリントン204回1/3と、2人が200回を記録。巨人で2人が200回以上を投げたのは、94年の桑田207回1/3と斎藤雅206回1/3が最後。