生え抜き16年目のベテランが涙の決別宣言だ。国内フリーエージェント(FA)権を取得したDeNA金城龍彦外野手(38)が3日、横須賀ベイスターズ球場でFA権を行使することを表明し、その意思を高田GMに伝えた。苦渋の決断に、「16年間一筋でやってきた思いはある。相当な迷いもあった。(中畑監督には評価してもらい)感謝の気持ちしかない」と話すうちに、涙がこみ上げた。球団は宣言残留を認めないため、移籍が確実となった。

 現役をやれる自信があるからFA権の行使に踏み切った。金城は今季、00年以降では最低の90試合の出場にとどまり、打率も2割に終わった。球団からコーチの打診もあったが、現役にこだわって断った。さらに「環境を変えてもう1度、自分を見つめ直す」と新たなチャレンジに踏み切る決意をした。

 チームメートにはこの日、FA権を行使することを初めて伝えた。中畑監督は「悩んで悩んで決断したみたい。自分を貫けと言った。若手に手本となる姿を見てきたから、どこに行っても、その姿勢は同じだと思う。ここがターニングポイントになるんじゃない」と理解を示した。

 今日4日に申請書類を提出する。調査を進めている巨人への移籍が決定的で、「野球しかない男なので、真っすぐ気持ちをもって、真摯(しんし)な気持ちは変えずにやっていきたい」。ユニホームが変わっても、自分を貫く。【細江純平】