ヤクルト真中満新監督(43)の初指令は、投手陣への「投げ込め」だった。3日、就任後初の秋季キャンプを愛媛・松山でスタートさせた。

 新監督の意気込みが、初日のブルペンに表れた。参加全13投手が、いきなり100球超の熱投を見せた。真中監督は「うちは球数が少なかったかなというのがあった。数をこなすだけでは意味がないが、多く投げてほしいと話をしたよ」と春季キャンプばりの投げ込みを指示したと明かした。

 狙いは明確だ。今季は12球団ワースト防御率の4・62。先発が早々に崩れ、中継ぎは制球を乱して自滅することがあった。高津投手コーチは「体をいじめて感覚的なものをつかむのが大事」と説明。「質も大事だけど量も大事。投げたもん勝ち。限界を見るぐらいまでやってくれと言っているよ」とさらりと話した。

 再建への熱意に、投手陣が呼応した。最多183球の杉浦が「みんな気合が入っている。刺激を受けます」と言えば、4年ぶり秋季キャンプ参加の由規も「雰囲気がいいですね」と笑顔を。2年連続最下位からの巻き返しに、投手陣の整備は最重要課題。疲労でぐったりする選手を横目に、真中監督は「良いスタートが切れた」と、満面の笑みで初日を終えた。【浜本卓也】