メジャー挑戦が濃厚となっている阪神鳥谷敬内野手(33)が6日に極秘渡米したことが分かった。すでに海外フリーエージェント(FA)権の行使を決断。約2~3週間の滞在中に代理人の選定作業、環境のチェックなどを行うとみられる。早大時代からのあこがれを実現させるため、いよいよ本格準備をスタートさせる。

 鳥谷が長年の夢だったメジャー挑戦に向けて、大きな1歩を踏み出した。この日、空路で渡米したことが判明した。

 約2~3週間にわたって滞在する可能性が高く、現地では代理人の選定作業、環境や球団施設のチェックなどを行うとみられる。米球界関係者の話を総合すれば、代理人は“スーパーエージェント”の異名を取るスコット・ボラス氏ら数人が候補となっているもようだ。海を渡る準備をいよいよ本格化させる。

 10月30日、ソフトバンクとの日本シリーズで敗れ、日本一の夢を逃した。終戦翌日の同31日にはFA権について「ゆっくり考えたいと思います。現時点で?

 ご想像にお任せします」と話すにとどめ、以降は公の場で発言していないが、すでに海外FA権を行使する意思を固めている。球団は全力で慰留に努めているが、引き留めは厳しい状況だ。

 鳥谷の海外FA権行使決断を受け、メジャー側の注目度も高まってきた。日本人内野手の評価が下落の一途をたどる中、今オフは内野手にとって売り手市場とみられ、二塁手としての需要も高い。すでにブルージェイズやレッドソックス、ダイヤモンドバックス、さらには甲子園まで視察に訪れていたナショナルズ、ロッキーズなど複数球団が獲得に興味を示しているもようだ。

 最近の米ヤフースポーツFAランキングではアスレチックスからFAになった中島が最下位165位に沈む中、90位に初めて名を連ねた。現時点でメジャー契約を手に入れる可能性は高く、来季34歳を迎える年齢を考えても、今が夢を追うタイミングといえる。メジャー挑戦は日に日に現実味を帯びている。

 今後は期限内にFA申請書類を阪神球団側へ届け、メジャー球団との交渉をスタートさせる見込み。決断を急ぐことなく、腰を据えてじっくりとベストな選択をする構えだ。

 ◆海外FA権取得後の鳥谷

 12年のシーズン中に海外FA権を取得。当初は進路について「白紙」としていたが、契約更改では「5位で終わりたくはなかった。来年は何とか優勝したいという気持ちで残った」と残留理由を説明した。13年オフは11月にメジャー志望を問われ「チャンスがあれば、前向きに考えたいと思います」と話していたが、12月の契約更改では「優勝できなかったというのがありますし、本当にチームに必要とされたので、残留を決めました」と話した。