今季国内フリーエージェント(FA)権を取得した日本ハム大引啓次内野手(30)が6日、他球団移籍を目指して権利行使を表明した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で球団側と交渉。残留を求められたがFA宣言することを伝えた。「(残留の可能性は)限りなく少ない」とチームを去る決意は固まっているもよう。FA市場で希少な遊撃手。今季は主将も務めた人格者にヤクルトや楽天などが興味を示しており、争奪戦となりそうだ。

 真一文字に口を結んで、会見の席に着いた。大引が悩み抜いた結論を明かした。「FA権を行使させていただくことになりました」。球団からは、かねて残留を要請されていた。熱意を感じた一方で“もう一声”も欲しかった。「野球はグラウンドでやるものなので。『来年も一緒にやろう』という言葉をいただけなかった。栗山監督と1度、お話しが出来れば良かったのですけど…。僕も強く要望出来なかったのは悪かったと思います」。現場レベルの考えを計りかねたことが、今回の決断に至った理由の1つだった。

 主将の流出は決定的だ。球団からは「宣言残留」も認める方針を聞いたが、きっぱりと言った。「(残留の可能性は)限りなく少ないと思っていただいて、よろしいです」と新天地での再出発を大前提とした。07年からオリックスで始まったプロ野球人生も8年を終え、三十路(みそじ)に突入。「最初で最後のチャンスかなと」。培ってきた技術や積み上げた実績などが、どう評価されるのか。野球人として聞いてみたいという純粋な思いも、覚悟を決める後押しになった。

 金額、場所は問わない。移籍先に求めるのは熱意だけだ。「自分を本当に必要としている球団を探したい」。ヤクルトや楽天などが興味を示しているとされる。「どちらの球団も魅力的だと思う」と、いつでも交渉の席に着く用意は出来ている。働き盛りの30歳が、新たなステージへ向かう覚悟を決めた。【木下大輔】