中日の鬼キャンプがピークを迎えた。ナゴヤ球場で行っている野手組の秋季キャンプは8日、第2クールが終了、折り返しを迎えた。谷繁元信兼任監督(43)は今秋最多級の800本近くのノックを浴びせ、3時間ノックバットを握りっぱなし。2年連続4位からの逆襲へ手綱を強めた。

 元気満点の兼任監督も手のひらが少し気になった。室内で投手陣に集中ノック。400球入る大箱を空にした。午後は恒例になった高橋周に1時間40分もノックを浴びせた。

 シーズン中とほぼ変わらない体形が毎日の運動量の多さを物語る。行動をともにすることの多い佐伯2軍監督が「すごいの一言。チームのことも自分のことも考えなきゃいけない中で、とことん若手を鍛えている」と舌を巻くほどだ。

 「やろうとしてる野球を考えたら守備の優先順位が高い」と指揮官。守備力を高めるだけでなく「技術だけじゃ勝てない。スタミナ、精神面、すべてのレベルを上げないと。継続しないと身につかない」と今後も厳しい練習を予告した。

 中日の特に2軍選手はシーズン中から豊富な練習をこなしてきた。来季、三塁を狙う高橋周もこれだけのノックを受けながら笑顔で引き揚げるほど体力が向上。ひたすら続く高校野球ばりの基礎練習が、必ず大輪の花を咲かせるはずだ。【柏原誠】

 ◆谷繁兼任監督のノック

 室内で武藤、小熊、阿知羅、川崎の4投手に短距離ノック。最後は4人全員が4周ノーミスで終えるまで続け、結果的に400球近くになった。ミスするたび全員が股割りとジャンプを課された。その後、高橋周と1対1で三塁ノック。他の内外野が終わっても約10分間延長。