期待のルーキーで宮西ショックを吹き飛ばせ!

 阪神ドラフト1位の横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が早くも先発ローテーション争いを課せられた。8日、前日7日に台湾で行われた21Uワールド杯で好投した新人左腕について、和田豊監督(52)が期待を込めた。

 「岩崎、岩貞、同年代の競争相手はたくさんいる。3人いっぺんにローテに入るわけにいかないけど競争はそこから始まる。割って入るだけの力がある。左投手がローテに入らないと」

 台湾から届いた朗報は投手陣を明るく照らす。横山はオーストラリア戦に6回から登板し、3イニングで5連続を含む8奪三振の快投。角度がある最速147キロの直球に、大いなる可能性を感じる。だからこそ、早々とローテーション争いの指令を出した。この日、FAでの獲得を検討していた日本ハム宮西が残留を表明。左腕セットアッパーを獲得できなくても、左腕王国を築く志は捨てない。

 球団幹部も「現有戦力が成長すればいい。左投手は多い」と言う。横山が台頭すれば、来季2年目の岩崎や岩貞にも発奮材料になり、相乗効果は投手陣全体に波及する。起爆剤として期待できるルーキーだろう。中西投手コーチも「(先発)4枚は固まっている。理想は(左右の)3人、3人。岩貞、岩崎、横山…」と名指しする。来年2月の1軍キャンプ参加については、指揮官が「気が早い。クリアしないといけないところはたくさんある」と周囲を制するが注目は集まる一方。要求度の高さは期待の裏返しだ。