裏方のために一肌脱ぐ!
ソフトバンク工藤公康新監督(51)がキャンプ中の「登板」に意欲を見せた。9日に岩手県陸前高田市で開催した野球教室では、シート打撃に登板。参加した中学生62人全員と対戦した。雨が降る中、代名詞と言えるカーブやスライダーも含め、180球の熱投。28三振を奪い、野球少年は大喜びだった。
「コミュニケーションを取りながら、思い出になってくれたらいい。つらい思いをしても言えないこともあるだろう。でも、ここでは素直になれる」。東日本大震災の復興支援に力を注ぎ、今回の野球教室は16回目。監督就任後も継続して、取り組んでいく。
新指揮官は、プロの世界でも労をいとわず、左腕を振り抜く決意だ。「特打とかあって、裏方も大変なことがある。マッサージの時間も必要だろう。負担がかからないように、投げてあげたい。毎日は無理だけどね(笑い)」。鉄腕ぶりは健在。キャンプでもチームスタッフのために打撃投手を買って出る。
この日の早朝には、高田松原にある「奇跡の一本松」を見に行った。津波にも耐えた一本松のモニュメントだ。同市の球場建設に尽力し、工藤監督の座右の銘である「あきらめない心」のプレートが小友グラウンドに設置された。「野球をあきらめないで、がんばってほしい思いをこめた。この言葉は自分自身への思いもこめた」。コーチ、選手、裏方…。すべての力を結集し、日本一連覇を目指す。180球の力投はその決意表明でもあった。【田口真一郎】



