巨人沢村拓一投手(26)が来季、リリーフに転向する。原辰徳監督(56)の腹案で、ブルペンに一層の厚みを持たせる狙いがある。不動の正捕手だった阿部が、一塁手へコンバートされることが決まったばかり。先発ローテーション投手の大胆な配置転換を、巻き返しへの第2弾とする。

 原監督が9日、ジャイアンツ球場のブルペンで、沢村の背中にじっと視線を送った。特に左打者の外角へ逃げる、シンカーのような軌道を描くフォークをアドバイスした。何球かチェックし、「OK」と声を出した。今月1日にも打者が嫌がる投法と軌道を伝授。直接2度も指導するには理由があった。

 リリーバーとしてのウイニングショット伝授のためだった。指導を終えた原監督は、来季に向けて新たな構想を明かした。「今年はリリーフが不安定なところがあった。2015年は、そこを強化する必要がある。沢村をリリーフに考えている。競争の中から(持ち場を)勝ち取っていってもらいたい」。昨季のチーム救援防御率2・57に対し、今季は4・01。打開策が必要だった。短いイニングの勝負には人一番負けん気が強く、闘争心を前面に出す男が適材だと考えた。

 来季に向けた構想を着実に練っていた。正捕手・阿部の一塁転向に次ぐ、大きな決断。沢村は「キャンプ初日(5日)に言われました。先発も後ろもどこのポジションも大事。やりがいがある」と言った。昨季は、先発にこだわりを持っていた。考えは故障で変化した。今季は右肩の違和感で2月の春のキャンプから離脱。1軍復帰登板は7月だった。「自分の勝利よりも、チームの勝利が大事だ」と感じ、原監督の決断を意気に感じた。

 実績を引っ提げ、本格転向する。昨年の第3回WBCでは4試合に中継ぎ登板し、3回1/3を1失点と安定感を見せた。同年の楽天との日本シリーズでは4試合に中継ぎ登板するなど、大舞台を踏んでいることも強みだ。「2、3日連続で30、40球の調整が大事。体調管理に気を付けたい」と言い切った。

 沢村がリリーフ陣に加入することで、セ・リーグ屈指の分厚いブルペン層が完成する。「決まっているポジションはない。自分の投球をしてアピールしていきたい」と意欲的だった。【栗田尚樹】

 ◆巨人リリーフ事情

 マシソン-山口-西村で形成する中継ぎユニット「スコット鉄太朗」が軸。今季は3投手とも調子に波があり、盤石ではなかった。沢村が加わることで各人の負担が軽減されることは間違いなく、新ユニット名を含めて期待が高まる。ベテラン久保、左腕の青木&高木京、若手の笠原と、硬軟自在の重厚な布陣。パワー型左腕のドラフト2位、日大・戸根千明投手(22)を筆頭に、新人3投手が割って入れるかも注目だ。