ミスターが少年野球の伝道師になる。巨人長嶋茂雄終身名誉監督(78)が9日、故郷の千葉・佐倉市にある長嶋茂雄記念岩名球場で野球教室を開催した。主催の佐倉市によると長嶋氏の同地での教室は「昭和50年代以来です」と約40年ぶりという。当初、指導は篠塚和典氏(日刊スポーツ評論家)ら講師が行う予定だったが、約250人の少年少女のプレーに血が騒ぎ、直接指導した。

 投球練習する少年に「ボールを柔らかく持って」と言葉を送った。素振りでは至近距離に正対し「ここに向かって打て!」と左手を目標に定めさせた。右肘を最短距離の軌道でスイングさせることを教える時には「ビュッ」「ボン」「シュッ」とおはこの擬音も飛び出した。約1時間半の指導は熱を帯びていた。

 ミスターは柔らかな笑みを浮かべ、久々の野球教室を振り返った。「子どもたちの元気があって、とても良かった。この子どもたちが大きくなって次の小、中学生につなげるのが一番いい。少年野球は大事な世代だからね」と重要性を説いた。

 昨年の国民栄誉賞、佐倉市民栄誉賞受賞を機に命名された球場も約2年をかけて改修され、記念館も建てられる計画があるという。佐倉市の蕨(わらび)和雄市長は「佐倉を中心に全国的に少年野球の底上げをライフワークとしてやりましょう、という話になっています」と話した。故郷の佐倉市を起点に全国の野球少年に夢を与える。「佐倉に来て、少年野球はいいものだと思ったよ」。ミスターの目は少年のように輝いていた。【広重竜太郎】