猛虎投手陣に「Gのノウハウ」が注入される。高知・安芸での秋季キャンプに新任の香田勲男2軍投手コーチが合流。早速ブルペンを視察し「2軍のピッチャーのレベルはすごく高い。目的意識を持っている」と驚きを口にした。04~11年はコーチとして巨人投手陣の形成に一役買った。自然と重なったのは球界を代表する投手たちの過去だった。

 「内海、山口だったりは野球に対する姿勢、意識がすごく高い。誰々さんは昔どうやってましたか?

 と質問してくれれば、答えていきますよ」

 今季推定年俸4億円を稼ぐ巨人のエース内海。香田コーチは04年、2軍投手コーチとしてルーキーイヤーの内海を指導した。内海は1年目、1軍登板3試合で大半をファームで過ごしていた。入団当初には軸足のかかとに体重がかかりすぎる悪癖を指摘したことがある。育成から成り上がった山口同様、支えたのは取り組む姿勢。香田コーチが知るそんな姿を、阪神投手陣にも伝えていく考えだ。

 ブルペンでは手帳を持ち、6人が並ぶマウンド後方を次々と移動した。メモを取りながら「まずは背番号、名前、右左を覚えることから」と静かに1日目を終えた。当面の課題は選手との意思疎通。岩貞が「いろいろ勉強させてもらいたい」と語るなど、選手も新しい発見を待ちわびている。豊富な引き出しは、必ずや若虎の可能性を広げるはずだ。【松本航】

 ◆香田勲男(こうだ・いさお)1965年(昭40)5月29日、長崎県生まれ。佐世保工から83年ドラフト2位で巨人入団。89年日本シリーズ優秀選手賞。90年に自己最多の11勝。94年オフ、阿波野とのトレードで近鉄に移籍。01年に引退。02~03年近鉄投手コーチの時、岩隈の素質を開花させた。通算350試合、67勝54敗11セーブ、防御率3・82。現役時代は180センチ、80キロ。右投げ左打ち。