広島梵英心内野手(34)が10日、取得していたFA権を行使せずにチームに残留することを表明した。マツダスタジアムで5度目の交渉を行い、球団に伝えた。地元広島出身、選手会長を務める男は緒方監督にも電話で報告を済ませ、過酷なポジション争いへの意気込みも口にした。
険しかった表情が晴れやかになり、引き締まった。梵は時間をかけ「残留」の結論を導き出した。マツダスタジアムで球団側に伝え終わると、その口からは「カープ愛」があふれ出た。地元広島出身で、選手会長も務めている。決断を後押ししたのは他でもない、愛着だった。
「このチームで勝ちたい、優勝したいという気持ちが強かった。カープを1番に考えないと、と思っていたし、カープ以外でというのを考えられなかった。チームメートにも助けてもらっていますし」
気持ちは揺れ動いていた。後悔のないよう、時間をかけて考え抜いた。選手として他球団の評価を聞いてみたい気持ちもあった。「こんなに考えると思っていなかった」と振り返るほど。球団との交渉は5度を数えた。4度目の交渉後に、断を下した。
結論が出た今、来季へ向けて暴れる準備をするだけだ。球団からは「頑張ってほしい。チームを引っ張ってほしい」と激励を受け、電話で報告した緒方監督からも「期待している。頑張ってくれ」と言葉をもらった。今季は114試合の出場で打率2割6分7厘と不本意な成績に終わった。田中ら成長著しい若手に負けてはいられない。
「とにかく試合に出て、結果を残すこと。結果を出せば使ってもらえる。若いから活躍できる、というわけではないし、年をとっているから活躍できないというわけでもない。年齢は気にしていない」
気持ちは吹っ切れた。ブログを更新し「熟考してきましたが、来年もカープで頑張ることを決意し、本日、球団に報告してきました」とファンにも報告した。広島で活躍して優勝-。導き出した目標を目指し、梵英心がプロ10年目のシーズンに挑む。【池本泰尚】



