ソフトバンク工藤公康新監督(51)が東浜巨投手(24)に「ミリ単位」の指導を行った。就任以来2度目の宮崎キャンプ視察となった21日、前回はブルペン入りしなかった東浜を初指導した。

 右打者の内角高めを想定し投げ込む東浜に「あと3ミリ!」と声をかけた。ギリギリのストライクになるかボールになるかは、リリースポイントではほんのわずかの差。「『ちょっと』というと分からないが『3ミリ』と言われるとそんなものかと思うから」と、わざと具体的な数字を出して指導した。東浜も「感覚的なことですが、すんなり入ってきました」とすぐさま理解。自身今キャンプ最多の151球を投げ、その感覚をつかもうとしていた。

 工藤監督はその後、自転車のチューブを使ったトレーニングを田之上2軍投手コーチ、佐久本3軍投手コーチに伝えた。チューブを腰に巻き、ゴムに引っ張られながらも前へ向かって投球動作をすることで下半身主導の体重移動を覚えられるという。工藤監督も現役時代、入団3年目にこのトレーニングを行い、制球力、変化球がよくなった。

 実際指導された、育成のサイド右腕・伊藤大智郎投手(21)は「足はパンパンですが、ゴムを外しても体が勝手に前に出るようになりました」と笑顔。さっそく福岡の合宿所にも置かれることが決定した。

 工藤監督は「これからも僕が経験してきたトレーニングなどをいくつか取り入れようと思っています」。来年2月1日のキャンプインからも、新監督のユニーク指導がどんどん飛び出しそうだ。【石橋隆雄】

 ◆工藤監督のユニーク指導

 13日の宮崎キャンプ初視察では左腕山田にパイプ椅子を使って指導した。「ここに座るように」。山田の右斜め前方に置いたパイプ椅子に座るようなイメージで投げさせた。重心を下げることを意識させ、連動して足の踏み出し、リリースポイントも安定する効果を狙った。