ありがとう、秋山ホークス!

 ソフトバンクの優勝パレードが24日、福岡市内で行われ、約35万人の大観衆が沿道に集まった。参加した秋山幸二前監督(52)が築いたチームが1つの区切りを迎え、工藤新体制に本格的に移行する。連続日本一への目玉補強、メッツからフリーエージェント(FA)となった松坂大輔投手(34)の獲得が、今日25日にも発表される見通しとなった。

 日本一の熱気が福岡の街によみがえった。市内の明治通り、約2・5キロの距離に、約35万人が集まった。3年前の前回を2万人も上回る大観衆。「ありがとう!」。ソフトバンクの優勝パレードが始まると、感謝、そして惜別の声が飛び交った。その多くが、先頭のオープンカーに乗った秋山前監督に向けられた。

 「本当に日本一になってよかった。こちらこそ、ありがとうの気持ちです。たくさんの人に応援してもらっていたのが、分かりますね」

 沿道のファンから求められ、投げキッスも披露。同乗した孫正義オーナー(57)から「最高の花道ですね」と声をかけられた。日本シリーズから再び歓喜に浸った。

 6年間で2度の日本一。秋山ホークスが区切りの時を迎えた。優勝パレード終了後には、秋山前監督は後藤球団社長と会食した。「先発は何人いてもいい。どれだけいても足りない」。そんな提言をしたという。中継ぎ陣のコンディションをいかに整えるかに苦心した話題も上がり、野手出身だが、会話の多くを投手整備に費やした。

 これからチームは工藤新体制へと本格的に移行していく。新たな骨組みの一部分となる目玉補強が完了目前になった。松坂の獲得だ。すでにソフトバンクに入団の意思を伝え、9年ぶりの日本球界復帰が決まった後藤球団社長はこの日、今後の見通しを語った。「先発の駒は大事だ。がんばって、補強するよ。いい議論はできている。近日中に、乞うご期待」。早ければ、今日25日にも「鷹の松坂」の誕生が正式に発表される。

 日本一になったが、今季は先発投手陣に不安があった。怪物右腕は、課題克服に十分な存在だ。「優勝は優勝として、今年の反省で、さらにバランスのいいチームを作るためにね」と同球団社長はさらなる戦力の充実を目指した。工藤監督就任の次は松坂獲得。連続日本一に向け、ソフトバンクがダイナミックに動いている。【田口真一郎】