来季6年目を迎える中日小川龍也投手(23)が母の母国フィリピンで野球教室に参加する。同国での指導は初めて。13年WBCにフィリピン代表として出場した小川は両国球界の懸け橋になる意気込みだ。昨年はスリランカで野球教室を行った中日住田トレーニングコーチ兼通訳がフィリピンで企画したところ、同国の野球協会から「あいさつだけでもいいから小川選手にもぜひ来てほしい」と熱心なオファーが届いた。13日にマニラで大学生らに指導を行う予定。

 11月に左肘遊離軟骨除去手術を受けたばかり。投球はもちろん、激しい運動はできないが、リハビリメニューの合間を縫って2泊の弾丸渡航を快諾した。ナゴヤ球場で体を動かした小川は「役立てていただき、少しでも野球が盛んになってくれたらうれしい。WBCでフィリピン代表でお世話になったので、恩返しできたら」と話した。

 折しも2020年東京五輪で野球・ソフトボール復活の機運が高まっており、アジア諸国の野球振興に一役買うことは意義深い。プロ5年間で未勝利。左肘はキャンプに間に合う見込みで、来年は飛躍の年だ。活躍がフィリピン球界の発展にもつながる。【柏原誠】

 ◆小川龍也(おがわ・りゅうや)1991年(平3)9月3日、千葉市生まれ。小1で野球を始め、千葉英和では甲子園出場なし。09年ドラフト2位で中日入り。2年目にプロデビュー。通算10試合で0勝2敗、防御率3・98。13年WBCでは予選リーグ台湾戦に先発し、4回3失点で敗れた。182センチ、70キロ。左投げ左打ち。