3・27開幕へ、視界良好!

 阪神西岡剛内野手(30)が、年内にもスローイングを再開できる可能性が出てきた。11月11日に右肘手術を受けてから約1カ月。9日は鳴尾浜で肘の可動域を広げるリハビリを行った。以前から照準として定めてきた開幕戦出場に、現時点で支障はない。

 鳴尾浜の駐車場に、この時期見慣れない高級車がやってきた。若手の自主練習がほぼ終了し、時計の針は正午を回っていた。タイミングを見計らったように車から降り立ったのは、ジャージー姿の西岡だった。表情を変えずに球団施設へ向かうと、2時間みっちりとリハビリに取り組んだ。その現状に太鼓判を押すのは、二人三脚で付き添う権田トレーナーだ。

 「スローの時期は特に決めていませんが、柔らかいボールを投げたり、ネットスローは年内にやって、年明けから(本格的に)準備ができるかなというところです」

 例年のこの時期ならば、西岡が公の場に姿を見せるのはイベント時ぐらいだ。ただ、今年は休んでばかりもいられない。先月22日のファン感謝デーでは「(投げるのは)2カ月ぐらいで大丈夫と言われている」と西岡自身が語った。それを踏まえても見通しは順調そのものだ。

 シーズン中から右肘の状態に苦しんだ。三塁を守った試合中のプレーで、全盛期とはほど遠い送球を見せたこともあった。日本シリーズ終了から2週間弱で手術に踏み切ったのは、あくまでも開幕に間に合わせるため。満足に使えないのは右肘だけで、その他の部位はいつでも万全そのものだ。入院等があっても体重はほぼ変わりなく、同トレーナーも「本人が自己管理できるので。運動や食事量に関しては任せています」とうなずく。先日の契約更改で「2年契約だったのに1年しか貢献できなかった」と語った責任。西岡は黙々とその重みをかみしめる。

 来季は長年守ってきた二遊間にこだわり、上本らライバルに勝負を仕掛ける。仮にキャプテン鳥谷がメジャー移籍となれば、ポジションが1つ空き、重圧もかなりのものになるはずだ。今後も甲子園や鳴尾浜でリハビリを実施予定。プロ12年目のオフは、例年になく忙しい。<西岡

 右肘故障経過>

 ◆6月27日

 中日戦(甲子園)で、開幕3戦目巨人戦(東京ドーム)以来の1軍戦。1番三塁で先発。

 ◆同29日

 中日戦(甲子園)で右肘違和感を訴え、以降スタメン落ちが増加。

 ◆7月23日

 出場選手登録を抹消される。6月27日の1軍復帰後は、打率1割8分2厘と不調。

 ◆8月5日

 鳴尾浜でリハビリ開始。

 ◆9月5日

 ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)に1番DHで実戦復帰。

 ◆同11日

 巨人戦(甲子園)で1軍復帰。公式戦閉幕まで、出場12試合はすべて代打。

 ◆10月11日

 CSファーストステージ広島戦(甲子園)でスタメン復帰。以後CSと日本シリーズ全11試合で先発出場。

 ◆11月11日

 右肘の遊離軟骨除去手術。

 ◆12月5日

 2000万円減の年俸1億8000万円(推定)で契約更改。「内野にこだわっていきたい。二遊間にこだわっていきたい」と決意を示した。