ニックネームは自分で選べ!

 ロッテのドラフト2位、京大・田中英祐投手(22)が12日、浦和の球団施設を視察し、自主トレ中のアジャこと井上晴哉内野手(25)と遭遇。3つの助言をもらった。その1つがニックネームは自分でつけるべき、というもの。田中はさっそく選定に取りかかった。

 浦和球場に足を踏み入れたとたん、田中はその存在に気が付いた。「すごい大きいなって思いました」。歩み寄り、歓迎の握手をしてくれたのは昨年ロッテに入団した井上だった。ちょうど1年前「コール、ミー、アジャ(アジャと呼んでくれ)」と言い放った異色のルーキーは、貫禄ある姿で田中の前に現れた。

 そして3つの助言をくれた。その1つが「ニックネームは自分で選ばないとダメだ」というもの。田中は「ファンの方から『えいすけ』って呼ばれたのは親しみを持ってくれているようでうれしかった。あとは、(ドラフト4位の)寺嶋が『タナチュウ』って呼んできます。彼らしくていいと思います」と、その場で2つに絞った。

 長嶋茂雄ならチョーさん、王貞治ならワンちゃん。一流選手にはニックネームがつきものだ。呼びやすい名前は人気を押し上げる。その重要さを知っているからこそ井上は「田中は何て呼ばれてるの?」と真っ先に気にかけた。

 井上からの金言はそれだけではない。世間の注目を浴びながら開幕4番を務め、その後に地獄を見た。「やりたいことはしっかり持っていた方がいい」と周囲の騒ぎに振り回されないことの重要性を教えてくれた。実力が未知数のうちから注目を集めているのは共通項。田中は「その通りだと思う」と、うなずいた。

 3つ目のアドバイスは、ノートを書くことだった。井上は今季途中から、大学ノートを購入し「アジャの伝説ノート」と名付け、書き込んでいる。「書くことは大事。ここには伝説がいっぱい書き込まれることになる」と言った。それを聞いた田中は「今までやってなかったけど、プロに入ったら、いろんなことを教わるので、書いていきたい」。いずれの助言もありがたく受け止めた。【竹内智信】