中日のドラフト4位石川駿内野手(24=JX-ENEOS)が落合博満GM(61)を「独占」した。育成契約3人を含む中日の新入団選手12人が12日、ナゴヤドームや合宿所「昇竜館」などを見学。石川は前夜、新入団発表後の球団幹部との食事会で初対面した落合GMとの「熱い夜」をうれしそうに振り返った。

 新人が2手に分かれた会食の席で落合GMの隣席が用意されていた。動画サイトで打撃フォームを研究するなど、あこがれの存在だった。GMがテーブル内の6選手に「誰が一番根性があるんだ」と聞くと「僕です!」と1人挙手。そのハートも気に入られ、ロックオン状態で野球談議に突入。「聞いたことは何でも答えてくれました」。ぜいたくすぎる時間だった。

 「なぜ野球はカウントが3-2まであるのか。(打ちたい球がなく)3つ見逃して帰ってきてもいい。簡単に考えろ。それさえクリアすればおまえは大丈夫だ」と言われ「そんな見方があるのか…」と聞きほれた。

 石川もこだわりが強く、理想の打撃ができなかった大学3年時に野球をやめると申し出たほど。身長も同じ178センチと体格に恵まれていない共通点がある。キャンプなどでGMに接触できる機会は多いだけに「もういろいろ聞きたいです」。GMを独占し続け、1軍戦力に突進する。【柏原誠】

 ◆石川駿(いしかわ・しゅん)1990年(平2)5月26日、滋賀県生まれ。北大津で2度甲子園出場。明大からJX-ENEOS。昨年の都市対抗で3本塁打。178センチ、82キロ。