DeNA高田繁GM(69)が15日、ユリエスキ・グリエル内野手(30)と再契約で基本合意したことを認めた。1年契約の年俸3億円で、契約金などを含めると総額5億円(推定)の大型条件。また、キューバ国内リーグでプレーする弟のユニエルキス・グリエル内野手(21)の加入も認め、2年契約の総額5000万円を提示するとみられる。高田GMは「まだ正式ではないけど、良い方向に話はいっている」と、他球団への流出を阻止して納得の表情だった。

 グリエル兄の残留の決め手は金額ではなかった。巨人も獲得調査に乗り出していたが、グリエルの「横浜でプレーしたい」という思いが、交渉の窓口となったキューバ政府も動かした。高田GMは「条件では負けていた。彼が横浜でプレーしたいということが一番だったみたい。それがなかったら負けていた」と話した。池田球団社長も「1年間やってきたことが、家族を含めて評価してくれた。家族も横浜に住みたいと言ってくれた」と積み上げてきた誠意が通じた。

 兄弟での獲得は決してセットではない。以前から、グリエル弟の身体能力を含めた将来性を高く評価してきた。本職は遊撃手で、身長190センチを超える大型内野手。キューバ代表も経験した逸材だが、外国人枠の関係でまずは2軍でのプレーが中心となる。

 キューバリーグの結果次第では、グリエル兄弟の合流は3月27日の開幕戦に間に合わない可能性がある。さらにキューバ代表として国際大会でシーズン中に約1カ月間、離脱することも容認する方針。それでも悲願のCS初進出のために、必要不可欠な戦力として、全力で残留に努めた成果が結実した。

 ◆DeNA外国人の最高年俸

 最高は00年R・ローズの4億7000万円。当初は3億4000万円と報じられていたが、交渉がこじれた際に代理人が明かした。次いで12、13年に在籍したラミレスの3億5000万円。巨人時代には5億円だった。3億円以上は他に03年コックスの3億2000万円。今季はブランコの2億円が最高だった。