【グアム(米国)13日=宮崎えり子】来日から2年連続セーブ王を狙う阪神の守護神呉昇桓投手(32)が当地で自主トレを公開した。同行する3年目金田和之投手(24)、5年目岩本輝投手(22)に細かな指導を施すなど、兄貴分の一面を発揮。自身も昨年同時期に比べて体重4キロ増のパワーアップに成功。「超石直球」と「石先生ぶり」で、チームの優勝に献身する。

 南国グアムで呉昇桓「先生」の手腕が発揮されていた。厳しいトレーニングの数々。金田、岩本も必死に食らいついていた。苦しむ2人の横でときには笑わせ空気を和ました。熱血先生も顔負けの細やかな指導で若虎をリードした。

 「自分がやっているからすべていいというわけではない。(2人には)感じてやっていってほしい」

 先生は自主性を尊重する。それでも気になったところは、手取り足取りヒントを与えているという。金田は「体を大きくするだけではなく、どう野球につなげるかを教えてもらった」と、これまでのトレーニングからの改善を伝授された。練習から離れても、食事面に目を光らせる。岩本に「食べる量をもっと増やして体を大きくしないといけない」と助言した。

 呉昇桓チェックは、グアムに同行した2人の成長のためだった。練習をともにする中で、経験をふまえたアドバイスを惜しまない。「2人の今年の成績がもっとよくなってくれたらいいと思っている」とアニキの一面をのぞかせた。

 そんな呉昇桓自身もレベルアップを進めている。「石直球」と呼ばれる剛速球を進化させようと、腕回りや太ももが、一回りも二回りも大きくなった。「球速、球威も出る」からと、昨年の同時期から約4キロ増の体重97キロで調整中。実は日本球界1年目は“ガス欠”で出遅れ。韓国サムスン時代の調整から変えて体を絞り過ぎ、開幕当初は思い通りの投球ができなかった。その反省から、一昨年までのオフの調整法に戻した。虎2年目はスタートからゴールまでダッシュする。

 「セーブ王というより、チームが優勝するのが第1。第2にセーブを失敗しないこと。第3に防御率をよくすること。チームの成績がよくて、自分の成績がよくなればいい」

 来日1年目から2年連続のセーブ王なら、球界初の偉業だ。それでもタイトルにこだわらず、優勝に強い執着を見せた。「昨年は自分も打者も互いに知らなかった。今年はもっと集中しないといけないと思っている」と気を引き締めた。

 呉昇桓がセーブを挙げるということは、チームが勝つことを意味する。進化する「超石直球」と親分肌を全開にする「石先生」。悲願のセ・リーグ制覇に、呉昇桓が全身で取り組む。【宮崎えり子】