【グアム=福岡吉央】無の境地で復活-。中日浅尾拓也投手(30)が、当地で自主トレを公開し、復活を期す今季は、結果を意識せず、自然体で臨むことを明かした。昨季は自己ワーストの防御率6・16。MVPを獲得した11年のような好調時の心境を再現し、ベストの投球スタイルを求め、再起への道を探っていく。

 復活を期す浅尾の強い思いが、グアムでの自主トレメニューに表れていた。高低差のきつい連日の5キロ走に加え、キャッチボール、ノック、ロングティー、筋トレにサッカーも。朝食をはさみ、約4時間にわたるトレーニングをこなしている。この日はあいにくの雨だったが、徹底的に体をいじめ抜いている。

 「父が亡くなって間隔が空いてしまったので、また体を動かし始めてここまできた。(1月中旬まで滞在する)グアムでは座らせて投げるくらいまでできれば一番いい」

 昨年12月22日に父美国さん(享年77)が他界。母から危篤の連絡を受けた浅尾は、自主トレ先の鳥取から地元愛知に戻り、約1週間病院に泊まり込んで、父の最期をみとった。自主トレ予定は大幅にずれ込んだが、その分グアムで肩をつくり、しっかり走り込んでキャンプインに備えるプランだ。

 昨季の防御率は自己ワーストの6・16。結果が出ず、考えすぎたことが負の連鎖を呼んだ。その反省を生かし、今季は無の境地を切り開き、無心で投げるつもりだ。「うまくいっていた時は何も考えていなかった。考えすぎても逆にダメ。普通に練習して、意識しすぎず、自然体で臨もうと思っている」。

 09~11年の3年間は、連日のようにマウンドに上がり、がむしゃらに腕を振り続けてきた。その頃の自分を取り戻すためにも、心の持ち方も同じにし、冷静な気持ちでマウンドに上がる。

 30歳を迎え、かつてほど直球のスピードはなくなってきたが、その分球のキレとコントロールで勝負する。「今までのままではダメ。スピードが上がらないなら、低めに投げて抑えていく。リリーフとして1試合でも多く投げられるようにしたい」。

 老け込むにはまだ早い。浅尾は温暖の地グアムで戦える体をつくり、復活への階段を駆け上がる。