2000安打まで残り15本の中日和田一浩外野手(42)が引退覚悟でメモリアルシーズンに臨む。14日、佐賀・武雄市の白岩運動公園野球場で自主トレを公開。引退を意識していることを告白した。昨季は大台目前の8月初旬に右手舟状骨を骨折し、戦線離脱した。19年目の今季は悲壮な決意でグラウンドに立つ。
笑顔だった和田が真顔になった。アスリートとしての宿命である引き際についての質問が飛んだ時だ。
「ここ数年は背中合わせ。線はいつなのか、どうなったら線を引かないといけないのか。常に頭にある。ケガしようが、一番は数字。成績が出なければレギュラーもとられる」
今回が18度目となる佐賀・武雄温泉の自主トレも「ここに来るのも最後になるかもしれない」。これまでも折に触れて引退について語ってきたが、今回はいつにも増して真剣な表情だ。
2000安打イヤーに臨む高揚感はない。8月に右手首を骨折した昨季は90試合出場。西武時代の01年以来、13年ぶりに100試合を下回った。今季は新外国人ナニータに即戦力として期待大の新人友永、井領も加わり外野の争いは激しさを増す。左翼レギュラーの1番手に変わりはないが、頭にあるのは危機感だ。
スタートダッシュが鍵を握る。開幕戦は長嶋(巨人)、門田(ダイエー)に次ぐ歴代3位タイの7本塁打を放っている。ところが、春先は意外にも「調子があんまりよくない」と実感。最近3年の成績も3、4月の打率が3割に届いていない。開幕直後にすんなりとメモリアル打が出れば、自然と波に乗れるはずだ。
「もう1度、3割を打ちたい。あくまでも打線の軸でいたい。それに見合った成績を残したい。ある程度の成績を残せば必要と思われるはず」
和田が見つめるのは2000安打のその先だ。5年ぶりの打率3割、そしてシーズン完走。22日まで佐賀で自主トレを行い、その後はキャンプに備えて名古屋で練習を続ける。主軸としての信頼を取り戻す。進退をかけた2015年が幕を開けた。【桝井聡】



